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医療的ケア児支援プロジェクト一覧

盛岡市
男の子(5歳) 母

幼少期からの成長に必要な経験を分け隔てなく!


男の子(5歳) 母

地域    盛岡市
兄弟    次男(2歳)
医療的ケア あり


今、直面している課題は「就学」です。

◇「前例がない」「担当ではない」の壁
5歳の医ケア児の息子は現在、私が数時間おきに園に行ってケアすることを前提に、週の半分は市内の保育園に通って健常児と一緒に生活できています。

と言っても、登園に至るまではかなり時間と労力を費やしました。障害児の就園に関する情報がなく、市役所に行っても「前例がありません」「うちの課の担当ではありません」「こちらでは把握してませせん」と言われるばかりでした。

一方で息子の様子を見ている児童発達の専門家からは「集団生活を経験したらきっと成長する」とアドバイスをもらっていましたが、市からは「障害児用の施設ではダメなんですか」と言われました。あちこちの課を回って、最終的には私が各担当者の都合をつけて集まってもらう機会をつくり、就園することができました。

毎日のケアで忙しい親が、こうして動いて一つ一つ壁を突破するのは簡単ではありません。なぜ地域の子どもの成長に関して皆が同じ方向を向いていないのだろうと思う場面ばかりでした。

私が健常児との交わりにこだわる理由は、やはり人とのつながりを通して息子の成長を強く実感するからです。友達との遊びやケンカを通して「これを言ったら相手が傷つく」「困っている人を助けたい」など感情が豊かになっています。障害があるからと言って守られるだけの存在ではなく、成長していく一人の人間として、他人の気持ちを汲み取れる人になってほしいと思っています。全員の気持ちがそろわないと達成できない合唱など、この時期の子どもにとって大切な成長過程のはずです。そういった機会を、同じように与えてあげたいのです。

就学についても同じ不安を持っています。息子は登園して大きく成長しましたが、そういった実際の姿に基づいて判断してくれるのか、障害の階級などだけで判断するのか。就学が近づいた今になっても何の情報もなく、見通しを立てることもできません。

◇NICU退院後、経験不足のまま育児
息子は産まれる前から「脳に異常があるかも」と言われていましたが詳細は分からず「産まれてくるのを待つ」という状況でした。産まれてから神経などに異常があることが分かり、手術のため約2カ月間、NICUに入りました。

退院してすぐ、今度は別の処置のため同じ病院内の小児科に入院。初めての育児で分からないことだらけなのに、NICUにいた時の私の面会時間は1日30分くらいで、オムツや授乳の仕方はさっと教えてもらった程度。圧倒的に経験不足な状態です。息子と同じベッドで過ごしながら体調の心配と慣れない育児に一人で向き合いました。こういう時、親にも寄り添ってくれる人がいるだけでずいぶん違うのではないでしょうか。

3週間後に退院。高熱や大泣きは他の障害につながるリスクが高くなるので、熱を出さないでくださいと言われて・・・。子連れの友達に「ちょっと鼻水が出ているけど元気だから」と言われても、会うのは怖いのでキャンセルして。それも「過保護」と思われているかな、と思うとますます人と会いづらくなりました。

6カ月でまた入院。この頃から日に何度も体調管理をする医療的ケアが必要になりました。私の自律神経もまいってしまって、よく痛み止め注射をしました。

◇「つらいです」初めて出したSOS
1歳の時、思わず電話で保健師さんに「つらいです」と相談しました。産後、市の訪問検診で自宅に来てくれた保健師さんで、初めてのSOSでした。1歳まで電話しなかったのは、そんな余裕もなかったのだと思います。母子通園できる施設を紹介してもらい、週1回通うようになりました。

そうやって何度か保健師さんと接点があるのに、行政間でほとんど連携がないのも残念です。市の1歳半検診では、その場にいた保健師たちは息子の障害のことは初めて知ったような様子で、心ない言葉に傷ついたこともありました。その日検診に来る子の障害の有無などデータ共有していないのでしょうか。3歳児検診の案内が来た時は、また悔しい思いをしたくなかったので「息子はこういう症状がありますから」と事前に電話を入れてから行きました。

2歳の時に次男を出産。支援施設を通じて訪問看護を紹介してもらい、母がそれを利用しながら長男の面倒を見てくれました。

長男が3歳になり体も丈夫になってきたので、可能な範囲で集団生活をさせたいと思い市役所に相談しました。その時初めて、長男の介護を理由に次男が保育園に入園できると知りました。なぜそういう情報を親が知らないのでしょう。自分で探したり相談すれば分かると言っても、余裕がないです。障害児のサービスや手当、助成などの相談ができるコーディネーターと確実につながる仕組みがほしいです。

結局、その時も市の窓口から「保育園の障害児受け入れは年度によって変わるので(把握していない)」という返答。自分で10カ所ほど電話をかけて探し、1カ所は受け入れ可能と言ってくれたのですが、医療的ケアは対応できない(こちらで人員が手配できればOK)とのことでした。

◇集団生活での成長頼もしく
市内や県内には同じように就園や就学で困っている医ケア児の家族がいると思うのですが、なかなか情報交換する機会もありません。行政からは「個人の声は受けづらいので、親の会を作ったらどうですか」と言われますが、そういった事務的作業を担う余裕はだれもありません。

今は、楽しんで園に通う息子の成長を頼もしく感じますし、次男も自然と兄のことを手伝う気持ちが芽生えているようで、とてもうれしいです。そういった変化を目にできるのは何よりの喜びですし、やはり子どもはチャンスがあれば伸びていくのだと実感します。成長するにつれて健常者と関わる機会も増えてくると思うのですが、なぜ幼少期は極端に分けられてしまうのでしょう。

園、学校、放課後デイ、支援事業所・・・。もちろん受け入れのためには看護師配置が必要です。すぐには無理でも今後の計画に盛り込んで医療的ケア児の居場所を作っていかなければ。すでに毎年同じような課題や陳情が繰り返されている状態です。

医学が進歩して「助かる命」が増えれば、医療的ケアを必要とする子どもは増えます。行政の方には、そういった先を見据えて、育ちの場を広げてほしい。子ども一人一人が大きく伸びていくチャンスを大事にしてほしいです。