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医療的ケア児支援プロジェクト一覧

「医療的ケア児を支える地域づくりフォーラム」 実行委員長
小笠原 綾子さん

「声なき声」拾いあげる努力を

10月に盛岡市内で開催した「医療的ケア児を支える地域づくりフォーラム」実行委員長の小笠原綾子さんにお話を伺いました。

 

-フォーラムを終えて
さまざまな立場の方が集まって発言者の声に耳を傾け「このままではいけない」「前に進みたい」という想いを共有することができました。会場で発言してくれた当事者家族に「何かできることはないか」と声をかけてくれた支援者もいて、新たな人と人のつながりができたことがうれしかったです。行政の方にも足を運んでいただき、具体的なアクションにつながることを期待しています。

私の息子(5歳)は病気をもって産まれましたが2歳10カ月で医療的ケアを卒業しています。当初、「当事者家族」ではない私がこのような会を開いていいのか迷いました。それでも発起人として声を上げたのは、これまで知り合ってきた親たちも同じような寂しさや憤り、壁を感じていたことを知り「これから産まれてくる子や親に同じ想いをさせたくない!」という強い気持ちからです。

私も子育てをしている一人の親であり、たまたま子どもに病気があり医療的ケアが必要になっただけです。でも、その時点で「子育て」ではなく「福祉」「障がい」の問題として語られるようになり、最初から「皆と同じ」という選択肢が排除されているようで寂しい想いをしてきました。

また、医療的ケアを卒業した今も難病の治療中であることに変わりなく、治療のために県外の病院に通ったり、食事を介助したりと、健常児と同じ生活をしているわけではありません。それでも行政からはアンケートや支援の対象外となってしまい「制度のはざま」にあるような子たちも実態を知られていないもどかしさもありました。

行政からは「個人の声では対応しづらいので、親の会を作ってほしい」とよく言われますが、日々の生活をしながら組織を運営するのは難しく、病状や家庭事情もさまざまな中で声をあげるのは大変なことです。

特に産後から就学までの数年は本当にあっという間で、一番大変な時期だからこそ声をあげる時間も労力もないのが現実です。要望や意見がないから困っている人がいない、という訳ではないですよね。「親の会からの声を待つ」のではなく、悩んだり困ったりしていても自分から動くことが難しい状況の当事者の声を拾いあげる努力をしてほしいと願っています。

 

-具体的にいまできること
今回のフォーラム開催に合わせて、5人の医療的ケア児の親へのインタビューを行い、さらにその気持ちを強くしました。

サイトに掲載したところ「全員の気持ちに共感した」「一人じゃなかったと思った」「一番つらい時期にこういう共有ができていれば」という感想をたくさんいただきました。やはり、それぞれ事情は違っても共感し合えると確信しましたし「これ以上そういった想いをする人が増えないように」との気持ちを強くしました。

インタビューを受けてくれた方や、会場で発言してくれた方からも「こうして話していることが社会に反映されるまで、もう自分の子どもには間に合わないかもしれない。でもこれからの子どものために」という言葉がありました。だれもが重く受け止めなければいけない、勇気のある言葉だと思います。

病気になる可能性はいつでも、だれにでもあります。子どもが病気になってしまったことは、だれにもどうにもできないかもしれません。でも、それに対して支援やサポートがあるかないか、あったとしても当事者にきちんと届くかどうかは社会のあり方によって変えることができるはずです。今ある支援の情報が必要な人に必要なタイミングで届いていないという声は多くあります。すぐに見直し、取り組めることではないでしょうか。

インタビューの中でも皆さんが訴えていましたが、健常児との関りがお互いに良い効果を生むケースは多いと思っています。息子は病気の影響で食事に課題が多いのですが、保育園に通い始めて「皆と同じように座って食べたい」「同じものが食べたい」とモチベーションも高まって努力するようになりました。クラスの子たちも息子の事情を理解し、同じコミュニティの一員として受け入れてくれて感謝しています。看護師配置など課題はありますが、最初から排除しない前提で社会全体に受け入れられている実感を持ちたいと思うのは当たり前のことではないでしょうか。この活動がだれかの背中を押す第一歩になればと願っています。